2018年2月22日、女性専用車両に乗った男性と乗客の女性たちが口論になり、電車が遅延するという事件がおきました。
男性がこのときの様子の動画を撮影してYouTubeに投稿したことで大きな話題となっています。
女性客らの「降りろ」コールや女性専用車両に男性が乗ることに法律的な問題があるのか、過去の同様の事件などについてまとめてみました!
目次
女性専用車両とは?
http://toyokeizai.net/articles/-/188609
女性専用車両とは、痴漢などの防止のために女性に配慮することを目的とした車両のこと。
一般的には通勤、帰宅ラッシュの時間帯にのみ設けられていることが多く、指定されている時間帯以外は女性専用車両として運行していないため、男性も気にせず乗車することができます。
女性専用車両が本格的に導入されたのは2000年の京王電鉄京王線でした。この当時は試験的な導入であったものの、世間の反応が良かったことで、2001年3月に改正されたダイヤからは京王電鉄京王線に本格導入されました。
現在では多くの鉄道会社で女性専用車両が設けられるようになっており、電車をよく利用する人々にとってはもはや当たり前の光景になりつつあります。
世界の女性専用車両
http://toyokeizai.net/articles/-/181023
世界では、日本が女性専用車両を本格導入するより前にイギリスで1977年までは電車に女性専用車両が設置されていました。更に、1995年からはロンドンで女性専用タクシーが生まれ、無許可営業の『白タク』での性的被害の対策として利用されています。
しかし、このイギリスでは現在は電車の女性専用車両が廃止されており、2015年や2017年に再度導入が提言された際も「女性に対して侮辱的」「女性が別の車両に追いやられるのはおかしい」という理由から批判が相次いだそうです。
これまで女性専用車両を導入した過去や現在も導入している国は、日本、イギリス、インド、インドネシア、韓国、タイ、台湾、チェコ、フィリピン、ブラジル、ロシアなどの国々です。
女性専用車両を巡るトラブル
http://funnytips.xsrv.jp/test01/general_news/19292/
これまで女性専用車両を巡っては多くの議論と共に多数のトラブルが発生してきました。その中でも最も新しく、大きく報道されたのは2018年2月16日に千代田線で起きたトラブル。
この事件では女性専用車両に数人の男性が乗り込み、電車内の女性客と揉めたことで通勤ラッシュの時間帯の電車が遅延を起こしたもの。
当事者だけでなく、電車を利用していた多くの人々の足に影響が及んだことで、マスメディアなどに大きく報道されることになりました。
女性専用車両に男性が乗るのは違法?合法?
女性専用車両に法的拘束力はない
https://www.youtube.com/watch?v=2Lv2KxtoIsEそもそも鉄道会社が「女性専用車両」を導入する理由とはなにか。東京メトロによると、「痴漢をはじめとする迷惑行為の抑止を図り、女性のお客さまのほか、小学生以下のお客さま、おからだの不自由なお客さまとその介護者の方に安心してご利用いただくため」という。
要するに、「痴漢防止」というわけだ。東京メトロの広報部は「女性専用車両のルールに『法的強制力』はなく、任意協力を求めているものだ」と説明。今回の千代田線のトラブルについては「警察で対応中だが、今のところ法的措置は検討していない」とコメントしている。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180224-00007476-bengocom-soci
東京メトロの広報部によると。女性専用車両のルールそのものには法的拘束力はないそう。
あくまで痴漢防止のために『任意協力』で行っている施策であるため、今のところ法律上では女性専用車両に男性が乗ることを取り締まることはできず、法的措置も取られることはないそうです。
女性専用車両が違憲との声も
http://urbannetwork.blog123.fc2.com/blog-entry-660.html女性専用車両に反対する団体の構成員の男性たちが2008年6月27日朝、「女性専用車両に乗車する」と事前予告したうえで「つくばエクスプレス」(首都圏新都市鉄道)の女性専用車両に乗った。その後、乗らないように説得を試みていた鉄道警察隊員、警備員とともに下車した。
男性たちは「女性専用車両は本来、誰でも自由に乗車できるのに、健常な成人男性が乗車することを事実上禁止している」として、「憲法で保障された居住・移転の自由を侵害する」「法の下の平等にもあたる」と主張。鉄道会社に対して、損害賠償と謝罪広告などを求めた。
東京地裁は「鉄道会社は、営業に関する自由な裁量権を有しており、女性専用車両の目的、時間帯などから、設置は正当だ」「健常な成人男性の乗客に格別の不利益を与えるものといえない」などと判断。男性側の請求をすべて棄却する判決を言い渡した。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180224-00007476-bengocom-soci
一部の男性からは女性専用車両が違憲なのではないかとの意見もあるようです。
これは女性専用車両が「居住・移転の自由」を侵害しているという意見でしたが、東京地方裁判所によって違憲ではないという判断が下されているため、法的に女性専用車両の存在は認められていると言えます。
このように女性専用車両を巡っては、日本では主にそれを批判する一部の男性側とのトラブルが相次いでおり、ついには女性の乗客から「降りろ」「降りろ」とコールされる動画を撮影した男性まで出ているようです。